模型サバニの制作日記④
底板(カーラ)を乗せる工程です。
サバニは底板から組み上げて造るのではなく、舟をひっくり返した状態で底板を乗せていく造り方をするのが特徴的です。
底板を乗せていくので、舷側板(横の板)に合わせた形に材を加工していく必要があります。
前工程の曲げや絞りの程度によって接合面の形が変わってくるので、図面などはなく現場合わせです。
中央、前方、後方にわけて底板を乗せていきますが、まっ平らな板を斜めに傾いた舷側板の接合面にはめ込んでいかなければいけません。
傾斜も常に一定でないし、曲線だし、すき間が埋まらない要因があり過ぎます…
でもやっていることは単純で、出っ張っているところを削っていけば、すき間が減っていくという作業です。


削り過ぎると接合面の不一致を新たに作ったり助長したりすることになるけど、怖々削っていると時間だけが過ぎていく…
熟練者ほどその塩梅が上手く、頭の中でイメージができているようでした。
よって初心者には忍耐力が試される工程に感じました。
大きなすき間がなくなったら、最後に数回の”すり合わせ”をして、接着です。(前回投稿を参照)

前方、中央、後方でそれぞれ工程を繰り返し、カーラ完成となります。
ここまでくると構造的にはだいぶ安定してきます。
次項、舟の形が見えてくる、波切の削り作業に進みます。